投資と哲学

Re:損から始まる投資生活

バフェット指数を知ろう!バブル崩壊から学ぶタピオカブーム

企業の価値を図る指標として株価というものがある。

ただ、株価は厳密に言えば企業の価値を表しているわけではないんだ。

どういうことかというと、注目を集めたり業績が伸びている企業は将来性を期待されて投資家達が株を買うから株価は上がっていくよね。

ここで重要なのは企業の業績が伸びているから株価が上がるんじゃなくて、投資家が株を買うから株価が上がるというところ。あくまで業績や注目度は投資家が株を買う動機に過ぎないんだ。

極端なことを言うと、業績の悪い何の価値もない企業の株を世界中の投資家が大量に買ったとしよう。そうすると、企業の価値が低いにもかかわらず株価は上がることになるよね。

(業績が悪く将来性の無い企業の株を投資家達が買うわけはないから実際にはこんなことは起こらない。あくまでたとえ話だ)

つまり、株価というのは正確には企業の価値じゃなくて、投資家達の”期待度”を表しているんだ。

投資家の期待に答えられなかった企業の株は急に下がったりするよね。失望売りって言葉を聞いたことがないかな。

失望売りは、マーケット全般で使われる用語で、相場(価格)の上昇を期待して購入された投資対象(銘柄等)が、上昇の見込みがないと判断されて売却されることをいいます。 これは、株式市場においては、業績の悪化や提携交渉の失敗など、何らかの悪材料が出た場合に行われることが多いです。
失望売りとは|金融経済用語集 - iFinan

じゃあ、企業の本当の価値は何で測ればいいのかというと、その企業がどれだけ物を作って売ったかという事実、つまり名目GDPだ。

すごく簡単に言うと、あるメーカーがその年に300万円の車を100台作って100台売ると名目GDPは3億ということになる。

株価は投資家の気分で上下するが、名目GDPはその企業の実績なので率直にその企業の価値を示す指標になる。

バフェット指数とは何か

市場の過熱度を図る指標としてバフェット指数というものがある。

投資家ウォーレン・バフェットさんの名前からとっているんだけど、これが高ければ高いほど名目GDPより株価が上がっている状態で”株価が割高”ということになる。

バフェット指数は以下の式で求められる。

 

バフェット指数 = 株式の時価総額 ÷ 名目GDP × 100

 

バフェット指数100の時が企業の本来の価値と株価がちょうど釣り合っている状態で、100を超えてくると企業の本来の価値(GDP)より高い値が付いている状態、投資家達の期待で市場が過熱しているということになる。

 

仮に、株価は高いが名目GDPは低いという株があったとしよう。

この株はどういうものかというと、今はそこまでの業績じゃないけど、将来大きくなるから今のうちに買っておこうと投資家から期待されている企業ということになる。企業の今現在の価値に対して高い株価が付いている。こういう株を割高な株という。つまり投資家達が熱狂しているということだ。

こういう企業の株は上手く期待に答えられて業績が伸びればよいが、そうでなかった場合、株価が急落することがある。比較的新しい成長企業に多い。

逆に、業績が良い(名目GDPが高い)のに株価が安い企業の株は割安とされ比較的暴落の危険性が低い。こういう企業は既に成長しきった老舗企業に多い。

 

このバフェット指数はバブル崩壊の前兆を知る上での一つの指標になっている。

バブル崩壊というのは、土地や企業等に対して本来より過剰に高い価格が付いている時に起こる。熱狂していた投資家達の熱が冷めて資金を引き上げ始めたときに価格の暴落が起こるわけだ。

日経平均やダウ平均株価が100を大きく超えている場合、実体経済より平均株価が上がってしまっている可能性があり株価の暴落を警戒する必要がある。

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NYダウとバフェット指数の推移

今現在のNYダウのバフェット指数は150近くなっている。

かなり高い数字と言えるが、もう10年近く100を超えた水準で推移しており、昔より情報網の発達した今では昔ほどの大きなバブル崩壊は起こらないという意見もある。

バフェット指数が高まれば必ず市場が暴落を起こすというわけではなく、あくまでも指標の一つと考えよう。

 

~余談~

昔、たまごっちって流行ったけど、あれはまさにバブルだったよね。

めちゃくちゃ人気出てどこも品切れ状態。メーカーも生産ラインを拡大してガンガン売り出したんだけど、ある時突然ブームが終わって大量に作られたたまごっちは行き場所を失って在庫処分コーナーに溢れかえってた。在庫を大量に抱えたメーカーは大赤字。まさにバブルが崩壊した瞬間だったよ。なつかしいね。

今だと、タピオカブームがバブルと言えるかな。

タピオカって原材料費は安いし、十年以上前から元々あった食べ物なのに急に若い女性を中心に流行りだしたよね。

あれも一過性のもので、今はタピオカミルクティーなんていうありきたりなものが高値でも売れてるけど、ブームが去る時は突然来るからタピオカ頼みの店は危ないと思うんだよね。元々他のモノを売ってて今だけタピオカバブルを満喫している店なら問題ないけど。

おそらく遠くない未来にタピオカは弾けると思うから、タピオカ関連株(あるのかは知らないけど)を保有している人はバブルに備えて売る準備はしておいたほうがいいかもしれないね。

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