トランプ大統領が去年2018年から中国との貿易摩擦をエスカレートさせたことにより、右肩上がりだった株価はボックス相場に移行している。
トランプ大統領は歴代の大統領の中でも特にSNSを活用しており、Twitterで頻繁に情報を発信することで知られているが、その過激な発言が物議を醸すことも少なくない。
ここ一年半、トランプ大統領の突飛な行動や突然の関税発言により市場が振り回されることが頻繁に起きており、その度に大きく株価が上下してきた。
リーマンショック以降多くのファンドで取られているリスクパリティ戦略による機械取引も合わさり、これまでではあまり見ない極端な株価の動きがトランプ政権下で頻繁に起きている。
つい先日も(2019/8/23)ジャクソンホール会議におけるパウエル議長の公演を前に中国が報復関税を発表したことにより、トランプ大統領は激怒。激しくTwitterで中国を批判。関税をさらに引き上げることを発表し、このツイートをきっかけにNY株式市場は大きく下落した。
我が国は愚かにも、中国で何年にもわたって数兆ドルを失っている。彼らは、我々の知的財産を1年に数千億ドルずつ盗んできた。しかもそれを、今後も続けるつもりだ。そうはさせない!我々に中国は要らない。そして率直に言って関係は遠くなるだろう…
まさにトランプ大統領の「気分」と連動した躁鬱相場である。
投資家にとって、全く読めないトランプ大統領の言動によって大きく変動する相場に疲れている方も多いと思う。
企業のファンダメンタルではなく、一個人のツイートの内容に世界中のマーケットが引っ掻き回されるのだからたまったものではない。
一人の男(と中国)によって世界経済が振り回されているわけだが、このトランプ政権下における躁鬱相場にどう付き合っていくかを考えてみたい。
長期保有が基本である米国株式ではあるが、このような長期のボックス相場におけるバイアンドホールドはリターンが少なくここ1年半は楽天VTI等の評価額もほぼ横ばいになっている。
さて、このような相場の時にはどのような運用方法が最適だろうか。
- 毎月決まった金額を積み立てていくドルコスト平均法やバリュー平均法
- 最初にある程度まとまった金額を投資し買い増し以外は一切放置
- 株価が下がったタイミングで買増していくナンピン
2番目のまとまった金額を買って放置と3番目のナンピン買いは一般にはあまりお勧めされていない投資方法なので、株・ETF初心者という方はドルコスト平均法でコツコツ投資していくことを推奨したい。
ドルコスト平均法を使えば、株価が高い時に少なく買い、株価が下落している時に多く買うことが出来るからだ。
キャッシュ:50%
株・ETF等:50%
現在、私は生活防衛資金を除いた総資産の50%ほどを目安にVTIと米国個別株で運用していて残り50%は現金もしくはMMFで保有し、株価が下がったタイミングで数回に分けナンピン買いしている。買い増しによりキャッシュ比率が下がってきたら高値のタイミングで一部現金化し株式比率を50%に戻すという方法をとっている。
基本的にVTI等のインデックス投資はバイアンドホールドが基本だが、ここ1年の相場のように中々高値を更新せず上がったり下がったりを繰り返すボックス相場の場合現金比率を多めにしてその分をナンピンする方がパフォーマンスが良くなる傾向がある。
大きな暴落があった場合も現金比率が高ければ、残った資産を使い底値近くで買うことにより暴落後のパフォーマンスを大きく上げることが出来る。
全て株もしくはETFにまわしていた場合は元値まで回復するのに大暴落では数年かかる場合もあり実質全ての資産が凍結された状態になってしまい大きなリスクを負うことになってしまう。
ただし、相場を正確に読むことはプロでも出来ないとされており、どのタイミングでボックス相場が終わり上昇に転じるかは分からない。
逆に暴落せずに上昇していった場合はキャッシュ比率が高い分機会損失になってしまうだろう。
結局の所、誰にも相場を予測することは出来ない以上、どのような場面でも一定のパフォーマンスを発揮できるドルコスト平均法での投資がベターであると言える。
(下落相場が続く場合はどのような投資法を持ってしても損をすることになるので長期での成長を見込める事が前提)
現実として機械的にVTIやVOOに積立投資を行っている投資家は儲かり、頻繁な売買、一点買いを行った投資家の多くが損をしていることを考えると、ETFへのドルコスト平均法での積立投資が最もリスクが少なく堅実に資産を増やす近道だと言えるのではないだろうか。